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モーツァルトの交響曲 アーカイブ

大好きな音楽家

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交響曲第25番ト短調

モーツァルトの作品では、短調で書かれたものが数少ないということは、今までずっと言われてきました。

もちろん長調の作品の中にも、短調の楽章をおいているものがないわけではないし、転調によって短調の響きを聴かせている例は少なくないです。

とはいえ、短調を主調とする作品が少ないことは、事実ですね。

とくに一般的に交響曲と呼ばれているジャンルでは、わずか2曲しか残されていませんし、その双方がト短調によって書かれているということは注目される点です。

この調性が、モーツァルトの音楽にとって特別の意味をもつものであるという見方もあるからです。

その第1作である第25番の交響曲は、1773年10月5日、ザルツブルクで書かれました。

大好きな音楽家 その2

交響曲第25番ト短調

この年は、彼の交響曲が大きな変貌をみせた年でもあります。

この作品はそれを象徴する以上に、この時期の一連の交響曲の中でも際立った存在です。

それは、形式の上からばかりでなく内容的にも大きな発展を見せているからであり、彼の情熱や苦悩が最大限に発揮されているといっても過言ではありません。

もっとも彼がここでト短調を選んだことについては、はるかに冷静な眼をもって見つめ、その頃、彼がハイドンの短調の交響曲に接したことが誘因とする見方もあるようです。

いずれにしても、彼がどのような意図と意識をもってその筆をとったかは知るよしもないですが・・・。

この作品ではもうひとつ、4本のホルンが用いられていることも見逃せません。

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彼は前年の交響曲でも4本のホルンを使っていますが、その後のもっと大規模なオペラや、晩年の3大交響曲でさえ2本のホルンで書かれているだけに、それがかなり特別なことだとわかります。

しかも、それが極めて有効に生かされているということ。

大好きな音楽家 その3

交響曲第25番ト短調

かねてから特異な存在をなしていたこの交響曲が、より広く親しまれるようになったのには、映画『アマデウス』の効用もあったかも知れません。

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それはともかくとして、この作品が、指揮者たちにとって棄ててはおけないもののひとつであることは事実ですね。

最近では、ウィーン・フィルにとって初めてというモーツァルトの交響曲の全曲録音を成功裏に展開しているレヴァインが、この作品にもすぐれたアプローチを聴かせてくれました。

トスカニー二/NBC交響楽団の演奏にひとつの理想を見いだしてきた彼の、構成感とリリシズムの融合
が、このオーケストラの伝統や特質と相乗的な効果をもたらしていることも間違いないですが、そこに悲劇性を見いだすかどうかは、人によって異なるでしょう。

交響曲

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交響曲第29番イ長調

最初の始まりが重要であることは、どんなものについても言えることですが、作品についても同じことが言えます。

この曲の冒頭、すなわち第1楽章の開始は、オクターヴの下降音型と細かい8分音符11個から成る単純な音型の組み合わせ。

しかもこれが1音ずつ音を高めながら3回半繰り返されるという、たいへん印象的なものです。

そしてこれは一度聴くと耳に残る楽想だから、これがこの曲が好まれる一因になっていることは確かですね。

しかしそれも演奏のやり方で、かなり気分が違ってくることも確かです。

この第1楽章は、アレグロ・モデラートの速度表示をもっていますが、一般的に言うと、最近の指揮者のテンポ感覚は速くなっているといえます。

たとえば、マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団やホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団などもそうです。

しかし、この2つの演奏では、この音型の演奏の仕方がかなり違うので、また全体の音楽の私たちに与える気分が異なっています。

交響曲 その2

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交響曲第29番イ長調

マリナーは冒頭の音型をはずむようにマルカート気味に演奏しているから躍動感があり、次に出てくるホ長調の優雅な第2主題と美しい対照を作り出していて、気分的な変化があります。

これに対してホグウッドは、レガート気味のなめらかな音型の捉え方をしていますから、第2主題との対比も明確ではなく、その点で常に一貫した気分の流れをもつといえます。

ただしこの演奏では、その後に出てくる第3主題ともいうべき楽想で対比的な要素を作り出しているのがおもしろいですね。

これら最近の演奏に対して、以前の指揮者たちは概して遅めのテンポをとっています。

たとえばべーム指揮ウィーン・フィルの演奏は、アレグロ・モデラートのモデラートに注目したようなテンポをとっているから、軽快さよりも落ち着いた、堂々とした気分を生み出しています。

これはこれで充分に納得させられるものがありますよね。

交響曲 その3

交響曲第29番イ長調

この交響曲は、1774年4月6日にザルツブルクで完成しています。

オーボエ2、ホルン2、弦合奏という室内楽的な編成であることと、イ長調という、モーツァルトにとっては流れるような旋律を多く書いている調性をとっていること。

それが、この交響曲の性格を作り出しているといえます。

精緻に作られた優美な第2楽章も聴きどころであるし、第3楽章のメヌエットもそれにふさわしい典雅な趣をもっています。

終楽章は第1楽章の性格を再帰させますが、より軽快で快活。

劇的な盛り上がりもあり、全体の構成も実によく出来ていますから、初期のモーツァルトの代表作といえますね。

おすすめの曲

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交響曲第31番二長調 《パリ》

《パリ》というニックネームのこのシンフォニーは、モーツァルトの作品の中で、とてもユニークな曲。

かつて10代の中頃に、イタリアに旅したモーツァルトは、しきりにイタリアふうの快活な(オペラ・ブッファ風の)シンフォニー群を書いています。

それらの曲はザルツブルクないしはウィーンのスタイルとも精神ともかけ離れた音楽を示しています。

それは父のレオポルトから叩きこまれたサービス精神であり、"その土地に行ったらその土地のスタイルで音楽を書く"のが、成人するまでの(あるいは成人後しばらくの)モーツァルトの信条となっていました。

このシンフォニーもまたその信条で書かれたもので、パリ滞在中(1778年)にパリジャンのために書かれたために、徹底的にパリ風にできています。

特徴の第1は、オーケストラの規模が大きいこと。

フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット各2本にティンパニーを備えたフル編成ですが、モーツァルトは生涯に2度とこのフル編成を使っていません。

すすめの曲 その2

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交響曲第31番二長調 《パリ》

特徴の第2は、ダイナミックス(強弱の効果)の面白さ。

パリの人たちが、ドイツやイタリアより進んでいたのは、オーケストラ音楽を面白がって聴くまでに成長していたこと。

ほかの土地では黒衣であり伴奏役であったオーケストラや、それの演じるシンフォニーを、パリの人たちは好んで聴いていました。

彼らの一番面白がるのは、音の強弱の変化、フォルテの斉奏、クレッシェンドなど、現代のオーケストラ・ファンのかなりの人が面白がる部分と同じでした。

モーツァルトは、そこの所を十分に心得て、カラフルで、楽しく、ドンパチ効果の華やかな曲を書いたのです。

だから、この曲にはドイツ的な感傷性が欠如しているのが特徴で、ここには湿った空気は一切存在しません。

すすめの曲 その3

交響曲第31番二長調 《パリ》

なので、このシンフォニーに関しては、ふつうの"名演奏"つまりゲミュートリヒなものをふんだんに発散するようなものは、逆に問題外ですね。

その意味では、ほとんどのドイツ人の演奏は、これに向いていないといえます。

次善の策としてなにかを選ぶとすれば、レヴァインがウィーン・フィルと協演したもの、チャールズ・マッケラスがプラハ室内オーケストラを指揮したものでしょうか。

でも本当はショルティとシカゴ響とか、スラトキンとセントルイス響あるいはジュリアード・オーケストラというのが、ずっと望ましいコンビネーションです。

もちろんパリ管でもいいですね^^

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